レトロラジオ再生工房は永年培った
新旧の技術経験で休眠ラジオを再生させ
昔の文化が甦り現代生活の中で輝かせます。

 レトロラジオ再生工房が今までに手がけた一部をご紹介いたします。
かなりの年代物ラジオと遭遇しました
依頼者様のご要望と安全に配慮して再生修復作業を行いました。



レトロラジオ再生行程事例-1

◆大正末期から昭和初期にかけて製造された
ラッパ 型高声器ラジオの復元修理

当店のお客様が「なんとか鳴らないか?」と
持ち込まれました。

80年以上昔の歴史を感じさせる貴重なものです。

ネームがはっきりしませんが  SYMPHONY と読めます。

←完成写真 画像は復元修理の完成写真で、ラッパ型高声器は塗装済みです。 

注:高声器=スピーカー

 

構造は木製のまな板状のシャーシーに部品を木ねじ留めで配置して表、裏両面から配線をしてあります。

回路構成と部品がマッチしないのは過去に修理や改造を何度か行った形跡があります。
左の緑色のスパイダーコイルは珍しく最もシンプルな同調、 検波回路となります。
再生検波でないと感度が上がりませんから使用真空管から見ても感度、音量とも期待できません。

高声器も振動板が完全に錆びて朽ち果てていますので別の小形スピーカーを駆動することにしました。
←とにかく配線と全部品を取り外し一枚の板にしてしまいます。
真空管ソケットは足ピンがベークライトにネジ止めしていますので、全て締め直しを行います。
←左の電源トランスは大丈夫のようです。

上列のB電源平滑用のコンデンサーはダメです 下の低周波トランスも1次側2次側とも完全に断線しています。

右下は高声器のリード線接続ジャックですが 使い物になりません。
←電源トランスの電圧、絶縁状態は大丈夫でした。 リード線の外被はボロボロでポキポキ折れますので絶縁チューブで補強しました。
元の「まな板」に部品をネジ止めして、ラグ板で電源部と検波・増幅部に分けて配線完了。
低周波トランスは2個ともダメですので、 増幅度は落ちますが、抵抗とコンデンサーによるCR結合にしました。
音出しは簡単、アンテナとしてTVアンテナに接続するとNHK第1放送666KHz(大阪)は左のバリコンの角度で受信、NHK第2放送もかろうじて受信しますが混信があります。
民放は受信不能、感度不足と受信周波数をカバーできません。
当時は全国的にNHKのみの受信だったようです。
使用していた真空管は
4球 UY-27A UX-26B UX-26B KX-112B出力が26Bですからもちろんパワー不足で期待できません。
右のバリコンと中央のバリオーム2個はダミーです。
←問題はラッパ型の高声器のユニットが壊れているためラッパ部の形を生かす為に小形ダイナミックスピーカーを高声器の台に埋め込むことにしました。
写真右のトランスは「ベルトランス」1次側100V 2次側6V/10Vタップ付を流用。
スピーカーは手持ちの6cm~7cm小形のダイナミックスピーカーをつないで最もマッチングのよいタップを選びました。
当然UX-26Bではダイナミックスピーカーを駆動させるパワーはありません。
やさくし鳴ればよいと思います。
結果的にNHK第1放送はまあまあの音量を得ました。
少し音量を絞りたい時はバリコンで選局をずらす状態でした。
←キャビネットを組みたてました。
真空管は
左から KX-112B  UX-26B  UX26B  UY-27A

←歴史を感じさせる存在感です。

このラッパの曲線が何ともいえない。

 

 

 

再生修復費用 約\45,000

   
   


レトロラジオ再生行程事例-2

79年前のアンティークラジオ復活術

1925年(大正14年日本で初めてJOAKのラジオ放送の電波が愛宕山から発せられました。
それから約4~5年後の昭和初期の交流式ラジオ(エリミネーター)は非常に高価なものでした。
あるお客様が家の蔵から出てきたので「直して欲しい」と持ち込まれました。
純国産品の  SINGER(三共電機)製 高周波増幅1段再生検波5球ラジオ 今まで写真や博物館で見たことはありますが実物を手に取るのは初めてでした。
一応電源は入りますが全く動作はしません。
「何とかしましょう」とお預かりしましたが、難物のようです。

←この風格で5球ラジオは当時かなりの高額品だったようです。(完成写真)

←中は非常にしっかりした作りで高品格高品質が伺われます。
・大型の電源トランス ・しっかりした鉄製シャーシーはエンボス塗装 ・左端のアルミのシールドケースの中は高周波増幅用の同調コイル ・右端アルミのシールドケースの中は再生検波用のコイル ・2個の大型の高級バリコン(再生発振調節用のバリコンはシャーシー内部にセットで計3個) ・中央の2個のやや小さめのシールドケースは  高周波増幅と再生検波真空管用 ・使用真空管は5球です。 UY224 UY227 UX112 UX226 KX112A
←ダイアルロープは指針が2つの為かなり複雑になっている
←シャーシー内部を見ると過去に何度か修理をした形跡がある。
   
←鉄製のシャーシーに組込まれていた。
内部はきれいで配線の劣化もひどくない、一応不良部品を発見。

←主な不良部品 は
(左)の低周波トランス(段間結合トランス)の2次側コイル断線
(中央)のコンデンサーの短絡(多分0.5μF)
(右)の真空管が間違ったものを差してあった UX112のところにKX80BKの傍熱型の整流管を差してあった。

←不良の黒い低周波トランスと上のコンデンサーを取り外すことにする
←低周波トランスは入手困難のため段間結合をコンデンサーと抵抗器によるCR結合に改造する、少々ゲインは下がるが仕方がない。   (上の写真との違いを参照)
これで何とか受信したがリップル(ブーン言うハム音)が大きく、 B電源回路の一部に200V/33μFを追加 これでピタッと止まった。
←結構いい音がするのでスピーカーを見るとマグネチックスピーカーといえどもNANAOの20cmでなかなかの高級型

(左)高周波増幅同調用
(中央)再生検波用
(右)から2番目 同調用 
(右)端電源スイッチ
合計3つのバリコンを調節しながらの選局は少々コツがいるが慣れればなんともない。  

←スピーカーのコーン紙は新品のようにしっかりしていた保管の良さが伺われます。
グリルネットは張り替えることにした。

←完成です 大げさな言い方をすれば奇跡の復活を果たした。 約80年前のラジオと思えないほど元気に鳴っています。
実は田舎の蔵に眠っていたので環境が良く保存状態の良さが幸いでした。

再生修復費用 約\35,000


真空管ラジオの修理ならどんなに古い製品でもご相談
ください。
どうしても修理再生が不可能な場合はレトロラジオの
雰囲気を残しながら、改造をいたします。

「レトロラジオ再生工房」が大正、昭和のロマンを復活
させます。
ご家庭に年代物のラジオなどがございましたら、ご連絡
をお願いいたします。
真空管などが紛失していましても代替えの真空管で間に
合う場合がございます。             
                        top↑
 
--トップ-- --再生事例-- --見積依頼-- --作業概要-- --番外編他-- --商法規表示-- --プロフィル--


MEDIA CITY 株式会社 ヨ ネ デ ン
インターネット事業部 責任者 米川 勇
〒635-0046 奈良県大和高田市西三倉堂2-1-7 TEL 0745-52-4929 FAX 0745-52-7773
URL http://www.yoneden.co.jp/ E-mail yoneden@nyc.odn.ne.jp
本サイトに記載する画像、写真、記述等全ての無断転載転用を禁じます。