レトロラジオ再生工房は永年培った
新旧の技術経験で休眠ラジオを再生させ
昔の文化が甦り現代生活の中で輝かせます。

 今までに手がけた一部を紹介いたします

出来るだけ初期のままの構成を維持したいところですが部品の調達や安全基準の問題で異種の真空管や部品の使用により回路構成の変更改造などが必要になります。

◆1964年製ナショナルステレオ電蓄SE-7500の修復修理


 

2013年4月8日にメールで下記のお問い合わせをいただきました。

幼い頃に自宅にあったものと同じものと思える、
『1964年ナショナル製のステレオ』と云うものを衝動買いしてしまいました。
ショップの云うには「通電OK、ターンテーブルの回転OKですが音が出ません」ということでした。
それまで、ネットで真空管の古いアンプ等は、いきなり通電してはいけないような事を読んでいたので
実使用と言うよりは、オブジェとして使うつも りでおりました。
その後御社のHPを拝見していたところ、再生の可能性が有るかもしれないと思いましたので、ご連絡してみました。

 


 お受けすることで早速4月15日に現物が送付されてきました。
49年前の立派な真空管10球のステレオ電蓄です。ラジオはFM/MWです。
レコードプレーヤーは SP/LP両用です。                         完成 2013.04.29


 

 

 

予てよりご相談のあった
千葉県のお客様から大きな便が

「ヤマト運輸の家財宅急便」で
届きました。
これは梱包も全て任せられますから便利です。

 

 

 

開梱しますと、

W1080 H800 D385mm 
と49年前の
「ナショナルSE-7500 真空管式大型電蓄」です。


 

 

輸送中に外れたのでしょうか?
ひどいことになっています。
経年劣化して硬化した、ターンテーブルマットは、粉々に砕けています。

 



先ず内部の清掃からはじめます。
外観は手入れされてきれいですが、
内部はかなりのほこりです。
後部はご依頼者が掃除していただきました。
 

清掃後電源オンして診断に入り不具合ヶ所を特定し、修復作業に入ります。

凄いガリガリ音です。
全てのバリオーム、セレクトスイッチ等に接点復活剤を注入します。

各部の詳細点検調整でFM/MWの放送電波は受信は正常に行われました。
しかし、気になるとがあります。
この機種はスピーカーの出力トランスを使用しないOTL回路を採用しています。
そのためスピーカーケーブルを4本R/Lに配線していますから普通のものの2倍のリード線が使用されています。

細い線を細かくねじっていて表面が「油膜」とホコリに覆われています。
これでは経年劣化は否めません。

あまり細かくねじっているため拭き取ることも出来ません。

そこで思い切って、スピーカーケーブルを交換することにしました。
拡大写真では太く写っていますが・・・

2倍以上の太さのリード線にシャーシー内部から接続します。

修理時のシャーシーを脱着時の余裕を見て長めにスピーカーに配線しました

◎通常はスピーカーのボイスコイルの インピーダンスは4Ω~16Ωですが OTL(出力トランスレス)のため
 400Ωになっています。

ですからスピーカーコードは細くて長くてもかまわないのです。

 

後部から見るとこんな感じになっています。

これで安心です。

気のせいか、音も良くなりました。

なかなかいい感じです。

ここまで来ますと、「物足りなさと言いますか、欲が出て来ます」
「電蓄」はレコードがかかつて「電気蓄音機」ですから・・・
やはり、レコードプレーヤーをなんとかしないと・・・
「ジャンク」のプレーヤーを復活させないといけない・・・
本体がスムーズに進行したお陰で気持ちに余裕があります。
いいアイデアも浮かんでくるでしょう。
開梱直後の写真は惨めでした。
とてもものになる状態には見えませんでした。

プレーヤーをひっくり返し、修復可能な方法を考えました。

原点に返り考えよう、「先ず、ダメ元で問題を一つづつ解決しよう。
パーツは手作り可能なものは対応しよう。

3つほどの困難なハードルがあります。

50年の経年劣化は材質により深刻です。
防振のゴムが弾力が無くなり固形化してボロボロです。原型をとどめないものもあります。
頭の中で設計図を描き閉店ぎりぎりのHCへ走り使えそうなゴムパーツを購入して帰り、 直ぐに作業にかかりました。
写真の左は残骸をかき集めたものです。右は見つけてきたこれしかなかったゴムブッシュ(グロメット)です。
これを使ってどう料理するか?
「工夫」とか、「利用」「代用」するとかは少年時代が戦時中から終戦後の物資など貧困の時代を経験している我々には得意な事なのです。
大きい方のゴムブッシュ(グロメット)は大きすぎ、小さい方のゴムブッシュ(グロメット)は小さすぎ、
予定の真逆の状態でしたが、その対応力は身についたもので、結果は写真のようにきれいに収まりました。
モーター吊り下げ防振ゴム3ヶ所は見事に完成しました。

次はアーム受けが折損してありません。芯棒だけになっています。
手動のみであれば何とか使えますが、オートリターンでは無理です。

そこで、何か部材を接着剤で貼り付けを試みましたが、モータースイッチと連動していますので、無理でした。
結局、手作りで半田付けをしました。これなら微調整もできます。

最後はレコード針です。

これも工夫、加工、しかありません。
ルーペで拡大しながら、行いました。幸いダイアモンド針の針先が残っていましたので助かりました、修正してテストが出来ます。

この針台があれば別の交換針を工夫すれば植え付けることが可能ですから、絶体紛失しないことが大切です。

さあ、音出しです、
きれいに出ています。    
オートリターンなどかなり位置調整で何度もテストを繰り返しました。
ターンテーブルマットは別のプレーヤーから外したものを大きすぎるので、外周を切断して使用しました。

(アーム受けの無い写真です )

キャビネットに組み込みました。
ダイヤル照明も右側が暗くアンバランスでしたのでパイロットランプを交換しましたら気持ちよく明るくなりました。
音まできれいに聞こえるのが不思議です。

AUXの増設も完了いたしました。

千葉県のお客様から4月15日にお預かりして2週間、で無事にお届けする事が出来ました。
いつも梱包には気を遣いますが今回は数年前の東芝レグザの空箱を活用しました。
これがぴったりで自分も驚いています。
サイズは 1180X860X405mm でかなりの大きさです。
色々な製品に対応出来るように普段から空箱は大切に保管しています。
内部はまだ確認して戴いていませんが、大丈夫でありますよう祈っています。


 
 
   

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