レトロラジオ再生工房は永年培った
新旧の技術経験で休眠ラジオを再生させ
昔の文化が甦り現代生活の中で輝かせます。

 今までに手がけた一部を紹介いたします

出来るだけ初期のままの構成を維持したいところですが部品の調達や安全基準の問題で異種の真空管や部品の使用により回路構成の変更改造などが必要になります。

◆日立レトロステレオ電蓄シンフォニカの修復修理


2013年3月11日にメールで下記のお問い合わせをいただきました。


「日立のシンフォニカという大型のステレオ電蓄を所有しております。 修理の受付をしていただけるかの確認です。
ターンテーブル不動、ラジオは通電はしますがチューナーが空回りのため使用できず。 スピーカーは片側のみバリバリ言っています。」


お受けすることで早速3月17日に現物が送付されてきました。
40年以上前の立派な真空管10球のステレオ電蓄です。 FM/SW/MWの3バンドです。
日本でFM放送が開始されたのは1969年ですから、確実に40年以上経っていますが、
保管状態が良くきれいな製品です。
当時の価格は現在の貨幣価値や贅沢品としての観点から相当な金額であったと思います。     完成 2013.03.31

 開梱して脚を取り付けた状態です。
スピーカーは3インチの中高音と12インチの低音×2の豪華なものです。

全くご指示の通りで全動作不能でした。
「なんとかしてあげたい」と言うより「なんとかしないといけない」と強い思いがありました。 


 

 操作部が上向きのため、シャーシーは垂直にセットしていて、電源トランスやその他の部品の一部が別置きになっていますので、扱いにくい構造でいすが、内部空間が広いため助かります。


  先ず手始めにダイヤルロープを架けることにしました。
テスト的に架けてみました、複雑な構造です。
 パーツとしてのダイヤルナイロンロープの1本の長さが1mですが足りず、2本つないで50cm余りました。
 先ず音出しに入りますが、「ガリガリ音」はバリオームとセレクトスイッチの経年劣化による接触不良です。
 接点復活剤の出番になりますが、過度な接触不良は接点復活剤を使用しても再発の場合があります。
特にバリオーム(ボリューム・可変抵抗器)の接触不良は接点復活剤の相性があるようですので、
今回はボリュームに効果的な左のものを選んで使用しました。
 バリオーム7個、セレクトスイッチ1個に注入しました。
一度に多量の注入をしないで、極少量をスライドさせながら、3回ほど繰り返します。

以上の処置によりラジオ放送受信はOK。ガリガリ音も解消しました。
 120Hzのリップル音が気になりました。
B電源回路はダイオードを使用して両波整流になっていましたので、平滑用電解コンデンサーを追加しました。
(写真には写っていません)
黄色のペーパーコンデンサー噴いていますので交換しました。

 テストで鳴らし込んでいると、15分~20分で音が歪んで来るのが確認できました。
出力管6BQ6の不良と判断して発注して交換することにしました。
翌日新品の6BQ6に交換しましたが歪み発生の時間がのびたものの完治はしていません。
最初は良いのですが、時間経過で何となく冴えない音になります。
シンフォニカ特有の音場補正・音質補正の不調なのか?
とりあえずコントロール回路を切り離しました。
結果、素直な音になったと、思ったがやはり徐々に歪みが出て来ます。
そこで動作時の各部の電圧測定の結果、出力管のカップリングコンデンサーの絶縁不良による漏洩電圧の仕業と判明して、バイアス電圧が変化していました。R/L 同時に発生は珍しいと思います。
R/L共0.02㎌を交換しました。これにより解決しました。

レコードプレーヤー不動の修理に入ります。

レコードプレーヤーはオートドライブ機構です。
◎ターンテーブルはアイドルドライブのスタンダードタイプのプレーヤーです。
◎これが後で幸運だった事がわかります。
カートリッジはクリスタルタイプです。
 レコードプレーヤーの裏面です。オートプレーヤーですので複雑なメカになっています。

防振マットとスプリングでハウリングを防止しています。
フォノモーターの注油と根気よくテストを繰り返して回転しました。

ところが後でとんでもないことに気が付きました。

ターンテーブルを外すと中心部の軸受けの左側に「50サイクル」と表記してあります。
60Hz地区のお方ですから回転数が早くなります。速度調整は付いておりませんから致命的です。
ご依頼者にレコードプレーヤーの載せ替えもご提案しましたが、奥行き32cm 深さ8cmに収まるプレーヤーは適当なものが見当たりませんので、載せ替えは断念しました。  
残された解決策は現状回復しかありません。
ご依頼者はLP専用でもOKとおっしゃって戴きましたので、光明が見えました。
いろいろ考えた結果、ひらめきました、モータープーリーの33 3/1回転の部分を細く削りこめば良いのです。
しかし、精密に研削するには卓上旋盤が必要ですが持っていませんから無理です。

では逆転の発想で、細くするのが無理なら、細いものを太くすれば良いのでは・・・ そこで先ほどのアイドルドライブの16回転が浮上してくるのです。
遊んでいる16回転のプーリーにスリーブをかぶせれば良いのです。
何をスリーブにするか・・・試行錯誤の結果、「細い単線ビニルコードの被覆で若干硬化したもの」 でサイズがきつく装着して絶対抜け落ちないもので外径が回転数にぴったりのもの」
非常に条件が厳しくなりますが、色々試してみました。 

◎モータープーリーの赤の部分の下が50Hzの33 3/1回転の部分です、微妙に太さが違うのがわかります。
何種類ものテストを繰り返した結果このサイズが最適となりました。
こんなユニークな方法が見つかり幸運でした。
このときの視聴したLPレコードの音色は解決できた安堵感で感動の響きでした。
◎こうすることで50Hz地区で難なく使用できますから良かったのではないかと思います。
但し60Hz地区ではLPレコード専用と言うことになります。
レコードが輝いて見えました。気のせいでしょうか・・・
 オートプレーヤーのスタート・リターンの調整もうまくいきました。
ターンテーブルマットはパイオニアのプレーヤーから外したものをカットして載せてみました。
ご依頼者のご要望のヘッドホンジャック兼出力/出力/AUX 増設作業途中の写真

固定のため接着中

固定のため接着中
背面右から内部
背面左 出力部

MPX FMステレオ復調器ユニット

REVERBユニット このユニットはスプリングでキャビネットに吊り下げられるのですが、スプリング4本とも外れ脱落していました。
精巧な内部構造ですので心配でしたが何とか使えました。
梱包済み発送をしずかに待っています。
   

真空管ラジオの修理ならどんなに古い製品でもご相談くだ
さい。
どうしても修理が不可能な場合はレトロラジオの雰囲気を
残しながら、改造をいたします。

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代替えの真空管で間に合う場合があります。
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